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2014/02/17 木材利用について



本日も弊社HPをご覧いただきまして、ありがとうございます。
 
2月も月半分が終わりました。本日2月19日は二十四節気の1つの『雨水』の暦であるそうです。 この『雨水』とは立春から春分の間、太陽の黄経が330度の時で、雪が溶け始めるころに当たるそうです。雪と言えば今年の冬は昨年に比べ降雪量が少ない様に感じます。
 
思い起こせば、昨年2月19日は、森の循環推進協議会の『三ツ沢共同住宅2期棟完成見学会』並びに『水源保全にかんする座談会』において、会の前日の雪掻き作業で大変苦労いたしました。
当日の記事はこちら


 
 
(写真)見学会の模様 
写真の一角に除雪しきれなかった雪が残っています。
寒い中、行政の方をはじめ関係者の皆様に多くお集まりいただきました。
 
当時、発表会の2日ほど前から横浜市でも雪が降り積もり、現場の三ツ沢ではかなりの降雪量があり、弊社の社長も含め5,6人で雪かきを行いました。
短時間で融雪するため、外構業者さんにガスバーナーで融かしていただいたり、弊社社員が神奈川土木事務所に融雪剤を取りに行ったりしたことが思い出されます。
※現場前は公道であり、所轄の神奈川土木事務所に問い合わせた所、融雪剤を事務所に取りに行けば支給いただけるということでした。
 
日本各地の多雪地域においても早く雪が溶け、暖かい春が来ることを期待しますが・・・
暖かくなるにつれて心配なのが、花粉の飛散量増加による花粉症の悪化です。
スギ・ヒノキも花粉症の原因と言われますが、富山県農林水産総合技術センター森林研究所では『無花粉スギ』の発見があったそうです。
CO2吸収ができる森林資源のスギ・ヒノキの木材利用のため、林業の活性、木材の搬出や技術の後継、資源の有効活用などの課題はありますが、一人一人ができることから始めたいものですね。
 
 
さて今回は、『公共建築物等木材促進法』について紹介したいと思います。
 
 平成22年制定『公共建築物等木材促進法』
【主旨・目的】
・公共建築物の整備においては、長くて太い木材や乾燥材等、その整備に適した品質性能の確かな木材を円滑に供給していく必要があることから、木材製造業者の供給能力の向上を図っていくこと。
 
同法律で定められている『公共建築物』には以下の建築物が含まれます。

 

学校
・老人ホーム、保育所、福祉ホームその他これらに類する社会福祉施設
・病院又は診療所
・体育館、水泳場その他これらに類する運動施設
・図書館、青年の家その他これらに類する社会教育施設
・車両の停車場又は船舶若しくは航空機の発着場を構成する建築物で旅客の乗降
又は待合いの用に供するもの
・高速道路の通行者又は利用者の利便に供するための休憩所
 

林野庁のホームページには各都道府県での公共建築物等での木材利用例を閲覧することができます。
URL →http://www.rinya.maff.go.jp/j/riyou/koukyou/pdf/todoufukenjirei.pdf
 
実際に自分が目にしたことがある利用例もありました。

(写真)鳥取県境港市佐斐神町  JR米子空港駅待合施設  ※使用樹種:県産スギ、ヒノキ


 
 
(写真)鳥取県境港市佐斐神町  境港警察署米子空港警備派出所  
※使用樹種:県産スギ、ヒノキ


 
この他、
北海道、青森県、秋田県、福島県、栃木県、埼玉県、福井県、長野県、
静岡県、愛知県、兵庫県、和歌山県、鳥取県、島根県、広島県、愛媛県、
高知県、長崎県、大分県、鹿児島県の事例が閲覧できます。
 
 
弊社では公共建築物ではなくとも、共同住宅や戸建住宅において水源地資源である「木材」の利用として、
三ツ沢共同住宅緑園都市戸建、働くママシリーズ戸建編などをこれまで紹介してきました。
 
今後の予定としまして、白楽共同住宅新築工事 (2棟)を控えております。
現在、建築基準法第43条但し書きの申請~建築確認申請提出への準備を進めており、3月着工を目標に進めております。こちらにつきましても今後紹介できればと存じます。
 
こちらでは、構造材に九州・熊本小国杉や神奈川県産材、山梨県産材もしくは栃木県集成材協業組合で
加工される集成材を利用、一部床材には神奈川県産材、山梨県産材の水源地資源を活用する予定です。
 
 
 
最後に、先日1月中旬に神奈川県の山北町の訪問視察の模様を一部報告いたします。
 
山北町 視察訪問報告
 

山北町の地理



  

 
(写真左)旧 共和小学校校舎   (写真右)打ち合わせの模様


 
(写真)旧 共和小学校 ボイラー


 
 
(写真)製材加工機


 

(写真)作業小屋
 




(写真)チェーンソーアート
 
 


(写真)共和地区 木材使用について
 
 

 
(写真)旧共和小学校 階段・腰壁 木質化
 


 

 
(写真)旧共和小学校 教室・廊下 木質化
 
視察の際に、県議会議員 杉本先生と NPO共和のもり 代表より下記を伺いました。
 
・神奈川県が以前、大野山牧場の管理・運営を行い、
農牛約100頭の飼育、主に山北牛ブランド化を進めていた。
・山北茶(足柄茶の発祥)を餌としてブランド化を進めてきたが、
平成26年度に閉鎖が決定。 
 
 
・山北町は川崎市水道局と提携をしている。
・山北町の9割以上が山林であり、『共和のもり』の構想あり。
・山北森林組合員は770名。神奈川県との協定を結んでいる。
・現在、針葉樹から広葉樹へ1万本植え替えの為苗木を育てている。
・どんぐりの木を植樹することで腐葉土となり、土砂災害などの対策に
つながる。
・山を育てても、30ha の山林が8万円、樹木1本あたり50円の価値まで
下がり、山林所有者が泣いている。
・昨年、共和地区共有・所有の山林350haに県より予算を戴き、
林道(全長約5km)の整備が完了。
・小学校敷地内に林野庁から予算を戴き、大型木質ボイラー(1億8千万)を
設置し、木質バイオマス発電のモデル実験を行っている。
  
・共和地区の住民が危機感を持ち、閉鎖後の状況を変えたい、
何とかしたいと願っている。
・小学校統廃校後、過疎化が進み、地区の人々が本当に危機感を持っている。
(限界集落消滅の危機)
・現在80世帯・240名程度まで減少。
・今後、なんとか子育てができる地区にしたいと切望。

 
こうした問題解決は山北町だけでなく、全国の川上、山林部に於ける課題なのではないでしょうか。
県や地域によって環境や条件は異なるかもしれませんが、疲弊している村や町にとっても、木材を利用する立場としても双方にとって良いサイクルとなる様な実績づくりが弊社でも取組ができればと思います。
 
森の循環推進協議会・サポーター会と
インテリジェンス・ネットワークは、
今後も積極的に森林資源の活用、実績づくりを重ね、
木材利用を推進する啓発活動を
継続して行って参りたいと思います。

 
長くなりましたが、最後までご高覧いただきましてありがとうございました。
 
 
                                建築メンテナンス担当
 
 
参考文献 URL 
厚生労働省 
はじめに ~花粉症の疫学と治療そしてセルフケア
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/ookubo.html
日本気象協会 
http://www.tenki.jp/pollen/
・林野庁 公共建築物等木材促進法
http://www.rinya.maff.go.jp/j/riyou/koukyou/


 

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