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2021/09/07 KF邸 木志録 解体編 part1



弊社ホームページをご覧いただきまして、有難うございます。
9月に入り例年より早く気温が下がり肌寒い日が続いております
ね。気候の変化が激しい時期になるので、体調管理には気を付け
たいものです。また、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、緊急
事態宣言の延長が検討されています。我慢の日々が続いています
が、皆で一致協力し少しでも早く以前の生活に近づく様になれば
と願わずにはいられませんね。

1・いよいよ、母屋の解体工事です。作業員も少し緊張気味です。
  今回の母屋は築200年以上の母屋ですから慎重に解体しな
  ければなりません。
  先ずは、天井を解体し母屋組を確認します。

  貫を外しべニアの天井を外すと大梁が出てきました。
  かなり太い梁ですね。それも太鼓梁です。樹脂は地松の様で
  すが囲炉裏の煙で数百年も燻され煤で真っ黒です。まさに横
  浜の開港以前からの歴史を感じる部材です。また、梁には昔
  の電気配線の面影が残り明治~大正~昭和の改元の歴に流さ
  れつつもKF一家の暮らしを支え、見守って来たことでしょ
  う。

2・次に昭和30年大にリフォームされた和室の壁と天井の解体
  です。どんな造りなのか?昔の職人技術を拝見です。
  壁を解体すると昔の壁板が出てきました。それも火災の影響
  で燃えしろが残っていますね。歴史を感じ入ります。

  壁の壁板には、チョークで
  「今之牛が昭和29年3月20日、其9時生年月日時2年半」
  と書かれていました。

  当時の一般的な民家は、居住スペースと家畜スペースが屋根
  の下で同じ空間であった事から多分、この場所は牛馬舎だっ
  たのでしょう!横浜の中心部である三ッ沢の暮らしぶりが想
  像できますね。また、家屋に使用されている木材部材を見る
  と三ッ沢の山々は、大変山深く日本の原生林が広がっていた
  ものと推測され、数百年の木々が生息し、それらの木々を伐
  採しこの日本家屋を立てた事も想像ができますね。いずれに
  しても、歴史を感じる建築物です。

3・天井の解体を進めて行くと、大梁が出現しました。それも元
  口1メール近い木材梁ですが、樹種については煤で判別でき
  ません。また、先程の大梁と同様に電気配線も当時のままで
  す。

  母屋内に照明を当ててみると、見事な小屋組みで梁や束柱が
  見えます。小屋張りや上り梁が炭化しているではありません
  か?先程の牛馬舎の壁に火災後がありました。また、当時屋
  根材は、茅葺か?藁葺きのどちらかだった事より、牛馬舎か
  ら火が回り屋根の萱か藁に火が回り母屋火災があった事は明
  白ですね。当時の火の手は大変広がり母屋の柱や梁も燃えた
  のでしょう!

  しかし、多くの木材部材も燃えたが、大径木を加工した大径
  木部材だった為、燃えしろが残り不完全燃焼だった事を木材
  部材達が語ってくれていますね。本当に、KF邸のご先祖様
  たちの暮らしや苦労が垣間見ます。

4・次に神棚の解体です。
  
  解体前に作業員で拝殿・拝仏し作業を開始です。
  このKF邸の当主様より、神棚と仏壇などは新築物件にその
  まま移築し再利用をしたいとのお申し出により、大工の手壊
  しで解体を進めます。

  先ずは神棚のガラス戸を外しお社を外し神棚板を外していき
  ます。

  仏壇も戸板と家紋欄間を外し、最後に絞り丸太と柱を外しま
  す。内観の最後は、飾り欄間です。見事な組子細工の欄間で
  すね。このお宅の大切なお客様をお迎えする土間からの上り
  口に飾られた組子は、今では数少ない職人技の一品です。

  一連の作業も大工歴30年の大工さんにお願いしました。取
  り外された部材は、現場事務所の保管場所へ慎重に運び、部
  材の再利用を設計しと検討します。




part2へ続く

~我々建築部門は、安全に配慮し
        完成すべく日々精進して参ります~

 

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