ニュース&お知らせ

一覧に戻る

2015/08/20 消費者契約法について



当社ホームページをご覧頂き、誠にありがとうございます。
 
今週も社長のつぶやきから・・・
 

          
              

立秋を過ぎると山は秋の準備・・・

紅葉が色づいていました。
 

 
三島の有名な「うなぎ屋さん」の待ち時間に

時を告げる「鐘」横の小川で涼む子供の笑い声!
 

 

 
今回は契約業務課長より消費者契約法についてです。
 
お盆休みは、どのように過ごされましたでしょうか?
 
私は、母がケガで退院したばかりで、リハビリを行うのですが、
休みで来週からという事でお守りではないですが、家にいました。
 
今回の消費者契約法を記載していましたら、
8月10日の日経新聞に「副作用の大きい消費者契約法改正の再考を」という記事が出ていました。

その記事によると第1に「消費者の利益になることを言い、
不利益になることを故意に言わなかった」という要件の緩和が検討されている事。

前回の「消費者契約法」で記載した分ですが、
その記事によると事業者が消費者に利益になる事を告げなくても、
都合の悪いことを故意に告げなかっただけで契約の取り消しを認める案という事です。
 
第2に、契約を取り消せる「勧誘」の対象を「特定の取引を誘引する目的をもってした行為」に広げ、
不特定多数に向けられた広告も場合によっては含める案が示されたという事らしいです。
 
上記、第1・第2により、たとえば「広告に書いていない」という理由だけで
返品や別商品と交換を要求などが頻発するとか、
自動車のイメージ広告に、事業者が「乗り心地やハンドルの重さは個人の感覚で異なります」
などの注意書きを限りなくのせる必要が生じるという専門家の意見もあると書いてありました。
 
秋以降も、専門調査会が秋以降も議論して行くという事ですので、確認して行きたいとおもいます。
 


 
 
不当条項の無効

(1) 総説
 消費者契約法では、消費者の利益を保護するため、一定の不当な条項を無効としている。
その条項を大別すると、①事業者の損害賠償の責任を免除することに関連する条項、
②消費者が支払う損害賠償に関する条項、③消費者の利益を一方的に害する条項で信義則に反するもの

であるが、①と②については具体的な内容を類型化している。
それに該当する条項は無効で、たとえ当事者間で「法律の定めいかんにかかわらず、有効とする。」
旨を合意したとしても無効となる。
すなわち、当事者間の合意によって変更や排除ができない「強行規定」だからである。
 
(2) 当事者の損害賠償背金の免除に関連する条項(法第8条)
 ①全部免除の特約
  債務不履行や不法行為による損害賠償責任の内容をどうするかは、
     契約当事者の間で自由に取り決めすることができるというのが民法の原則である。
     しかし、消費者契約法では、次のように定めている。
 
(事業者の損害賠償の責任を免除する条項の無効)
第8条第1項 次に揚げる消費者契約の条項は、無効とする。
 一 当事者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項
 三 消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為により消費者に生じた損害を賠償する民法の規定による責任の全部を免除する条項
 
 ②一部免除の特約
  債務不履行や不法行為による損害賠償責任を免所することはないが、
     その一部を免除するという特約について、消費者契約法は、無効として次のように定めている。
 
第8条第1項
 二 事業者の債務不履行(当該事業者、その代表者またはその使用する者の故意または重大な過失によるものに限る。)により消費者に生じた損害を賠償する責任の一部を免除する条項
 四 消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為(当該事業者、その代表者又はその使用する者の故意又は過失によるものに限る。)により消費者に生じた損害を賠償する民法の規定による責任の一部を免除する条項

  ここで、「故意」とは、知りながらという意味で、
     また「重大な過失」とは、著しい注意義務違反をしてしまったという意味である。
  このような場合は、たとえ一部でも責任の軽減を認めるべきでないという観点からの規定である。
 
③瑕疵担保責任を負わない旨の特約
  消費者契約法は、事業者が有償契約(売買、請負など)における
     瑕疵担保に基づく損害賠諸責任の全部を免除する条項を無効としている(同条第1項第5号)。
  もっとも、例外として代替物を提供するとか、
  修補責任を負うといった一定の場合は有効とされる(同条第2項)。
  なお、宅建業者が売主となる売買契約において、瑕疵担保責任を負わない旨の特約をしても、
     そもそも宅建業法により無効とされている(業法第40条)
 
(3)消費者が支払う損害賠償の予定等に関する条項(法第9条)
 ①損害賠償の額を予定する条項
  消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、または違約金を定める条項で、
     これらの合算した額が、その条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、
     その消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該当事者に生ずべき平均的な損害の額を超える場合は、
     その超える部分は無効とされる(同条第1項)。
 
 ②遅延損害金の条項
  消費者が支払うべき金銭に関する遅延損害金について年14.6%をこえる場合は、
     その率を超える部分が無効とされる(同条第2項)
 
(4) 消費者の利益を一方的に害する条項(法第10条)
(消費者の利益を一方的に害する条項)
第10条
 民法、商法その他の法律の公の秩序に関しない既定の適用による場合に比べ、消費者の権利を制限し、または消費者の義務を加重する消費者契約の条項で、民法第1条第2項に規定する基本原則(注:信義誠実の原則)に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とされる。
 
消費者契約法と宅地建物取引業法の関係
 宅地建物の取引は、売買、交換、賃貸借など契約類型のいかんを問わず、
またそれらの媒介契約も消費者と事業者との契約であるかぎり、すべて適用される。
従って、宅建業法が適用される場面において、消費者契約法と競合する場合が当然ある。
そのような場合について消費者契約法は、次のように規定している。

 
(他の法律の適用)
第11条
2 消費者契約の申込みまたはその承諾の意思表示の取消しおよび消費者契約の条項の効力について民法および商法以外の他の法律に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
 
この規定にいう「民法および商法以外の他の法律」に宅地建物取引業法が該当することはいうまでもない。
具体的なケースにおいて、消費者契約法と宅地建物取引業法の私法的効力規定が重なって適用されるような場合、
宅建業法などの個別法の立法趣旨を尊重し、業法が優先的に適用されることになる。
 
  具体例で説明すると、損害賠償額の予定(違約金)について消費者契約法第9条第1号では、
「同種の契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの」は、
その超える部分を無効としているが、宅建業法第38条では、
宅建業者が売主となる場合の損害賠償の予定(違約金)について、

その合算額が「代金の20」を超えてはならないとし、超えたときは20%を越える部分が無効となるとしている。
これを言い換えれば、宅建業者が売主となる売買においては、20%までは有効ということになり、
その限りにおいて、前記の消費者契約法第9条第1号の適用はないことになる。
 
今回も消費者契約法について、少し分かりづらい部分がありましたが、
事業者と消費者という関係で、消費者保護を考えると必要だと思います。
また、最後の宅建業法との関係という部分は、宅建業法だけでは無く、
関係法令が優先するという事になると思います。
 
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。
 
我々インテリジェンスネットワーク一同は、
お客様に有益な法律情報も随時発信して参ります!!

 

ページの先頭へ

一覧に戻る